6月18日

中国国内でLINEが使えない理由と代替手段

中国では日本と同じようにLINEは使うことができません。この記事では、中国でLINEが使えない理由と、代わりに使えるアプリやサービスを紹介します。

■中国国内でLINEが使えない理由

LINEはインターネットを介してデータ通信を行うアプリです。中国でもインターネットは利用できますが、なぜLINEが使えないのでしょうか。ここでは、中国の内情に関わる2つの理由を見ていきましょう。

■Great Firewall of Chinaによる規制

LINEが利用できない理由の一つは、Great Firewall of China（GFW）による規制です。中国では国家的に通信情報の検閲システムが築かれています。この「金盾」プロジェクトによって社会治安管理を目的とした情報統制体制が整えられています。LINEだけでなくTwitterやInstagramなどのSNSも利用できず、Google検索やGmailなどにも利用制限があります。

■WeChatの普及

中国国内ではネットワーク通信の規制が行われており、LINEを使用した通信ができない状況があります。LINEと同様にチャットできるメッセージアプリとして、「WeChat」が中国では広まっています。WeChatは、中国国内で利用していない人を探す方が難しいといわれるほど人気のアプリです。同じようなアプリとして「QQ」がありますが、WeChatの方が普及している状況です。

■中国国内で使われている主要メッセージアプリ

ここでは、先ほど名前を挙げた中国国内で主に使われているメッセージアプリ、WeChat、QQについてご紹介します。

■WeChat（微信）

WeChatは、中国で最も人気のあるメッセージアプリです。チャット機能に加えて、音声通話やビデオ通話、モバイル決済、SNS機能も備えています。日常生活の多くの場面で利用され、友人や家族とのコミュニケーション、ビジネス、ショッピングにも広く使用されています。

WeChatは日本におけるLINEと同様のイメージで使えるため、中国国内でのLINEの代替アプリとしておすすめです。中国企業との連絡や中国マーケティングにも活用できます。中国でECサイトを運営する際や、中国人をターゲットにしたインバウンド戦略を立てる際にも役立つアプリです。

■QQ（腾讯QQ）

QQは、WeChatに次ぐ人気を持つメッセージアプリで、主に若者や学生に支持されています。メッセージの送受信、音声通話、ビデオ通話が可能であり、オンラインゲームや音楽、ビデオなどのエンターテイメントコンテンツとも連携しています。また、QQはパソコン版もあり、デスクトップでの利用にも便利です。

QQは、LINEと同様にチャットでコミュニケーションを取れるアプリですが、ソーシャルネットワーキングの機能も兼ね備えており、コミュニティを作って趣味が共通する人とオンラインで出会える機能があります。プライベートな関係の相手に使われることが多く、個人とのつながりを強めてマーケティングを進めたいときに適しているアプリです。

■中国でLINEを使用する方法はある？

日本人が中国にいるとき、日本国内にいる人とLINEで連絡を取れないのでしょうか。実は、日本人が中国に行ったときには、以下の方法でLINEを使うことができます。

➀香港のSIMを契約する

②国際ローミングをする

③VPN契約をして日本のサーバーから利用する

④VPN機能付きWi-Fiルーターを使用する

➀の香港SIMは、日本国内からAmazonなどで購入できます。香港SIMでLINEが使える理由は、中国と香港が一国二制度によって規制が異なるためです。ただし、香港も同様に規制される可能性が高いのでこの状態がいつまで続くかはわかりません。また、②の国際ローミングはパケット通信にかかる費用が高くなるため、利用するときは携帯電話のプランを変更しておく必要があります。

③④のVPN経由で日本のサーバーからLINEを使うのが最も妥当な方法です。ビジネスで中国に頻繁に出張する場合には、VPN契約をしていつでも接続できるようにしておくと便利です。観光や視察などで訪問頻度が低い場合には、VPN機能付きのWi-Fiルーターをレンタルすると費用対効果が高いでしょう。