中国の動画配信プラットフォームは、膨大なユーザー基盤を持ち、モバイル視聴が主流という特徴があります。これらのプラットフォームは、映画、ドラマ、バラエティ番組からユーザー生成コンテンツまで、多岐にわたるコンテンツを提供しています。また、ライブ配信が人気で、視聴者とのリアルタイムなインタラクション機能が充実しています。収益モデルとしては、広告収入、サブスクリプション、有料コンテンツの提供が一般的であり、特に若年層に人気があります。近年ではAI技術を活用したレコメンデーション機能が進んでおり、個別ユーザーに合わせたコンテンツ提供が可能になっています。

■中国の動画配信プラットフォームの特徴

中国の動画プラットフォームはおおよそ長編動画配信プラットフォーム、短編動画配信プラットフォーム、ライブストリーミングプラットフォーム、オタク文化・二次元コンテンツプラットフォーム、その他プラットフォームの４種類に分けられます。以下にてそれぞれの主なプラットフォーム名と特徴をご紹介します。

■長編動画配信プラットフォーム

以下に中国の主な長編動画配信プラットフォームをご紹介します。

●iQIYI（爱奇艺）

中国の主要な動画配信プラットフォームの一つで、映画、ドラマ、バラエティ、アニメなど幅広いコンテンツを提供しています。またサブスクリプションモデルを採用し、有料会員には広告なしで視聴できるサービスを提供しているのも特徴です。

●Tencent Video（腾讯视频）

テンセントが運営するプラットフォームで、特にスポーツ、音楽、映画、ドラマに強みがあります。多くの独占コンテンツを提供しており、有料会員向けのサービスが特に充実しています。

●Youku（优酷）

アリババグループ傘下の動画配信プラットフォームで、幅広いジャンルのコンテンツを提供しています。かつては中国で最大の動画共有サイトとして人気がありましたが、近年は競争が激化し、他のプラットフォームが若干優位になりつつあります。

■短編動画配信プラットフォーム

以下に中国の主な短編動画配信プラットフォームをご紹介します。

●Douyin（抖音）

中国版TikTokで、短編動画の投稿と閲覧が可能です。音楽に合わせたダンスやコメディ、ライフスタイルの共有、ライブコマースなど、多様なコンテンツが人気なプラットフォームです。日本では若者を中心に利用されていますが、中国では幅広い年齢層に親しまれています。

● Kuaishou（快手）

短編動画のシェアプラットフォームで、中国ではDouyinと並ぶ人気を誇っています。地方のユーザーや農村部のユーザーに特に人気があり、他プラットフォームに比べて、素朴な生活を映した動画が若干多いと言われています。

■ライブストリーミングプラットフォーム

以下に、中国で主流のライブストリーミング配信プラットフォームをご紹介します。

● Huya（虎牙直播）

ゲーム実況に特化したライブストリーミングプラットフォームで、eスポーツに強みがあります。視聴者は配信者に対してバーチャルギフトを送ることができ、これが主要な収益源となっています。

● Douyu（斗鱼）

Huyaと同じくゲーム実況に特化しており、多くのプロゲーマーやeスポーツイベントが配信されています。また、リアルタイムのコメント機能が充実しており、視聴者とのインタラクティブな交流が可能となっています。

■オタク文化・二次元コンテンツプラットフォーム

中国では、オタク文化、二次元コンテンツに特化した動画配信プラットフォームが存在しています。

●bilibili（哔哩哔哩）

アニメ、マンガ、ゲーム（ACG）文化に特化したプラットフォームです。ユーザーはコメントを動画上にリアルタイムで表示する「弾幕」機能が使用できるという特徴があります。若者を中心に強い支持を得ており、中国のオタク文化の発信地となっています。

■その他のプラットフォーム

上記以外にも、以下のようなプラットフォームが存在します。

●Mango TV（芒果TV）

湖南テレビが運営するプラットフォームで、バラエティ番組やドラマが中心となっているプラットフォームです。自社制作コンテンツが多く、エンターテイメントに特化しています。

● Sohu Video（搜狐视频）

初期の動画配信プラットフォームで、映画やドラマ、ニュースなどが提供されています。他の競合と比較すると規模は小さいですが、独自のコンテンツを持っていたりします。

■まとめ

中国の動画配信プラットフォームは、ユーザー数の多さと多様なコンテンツを特徴とし、特にモバイル視聴に強いです。ライブ配信やライブコマースなど視聴者とのインタラクション機能も充実しており、物販販売の手数料、広告収入と有料会員システムが収益元となっています。中国市場へ動画を流したいと検討されている方は、是非本編を参照し、妥当な投稿先を選んでみてはいかがでしょうか。